新規に刺さる“価格ではなく価値で選ばれる”料金表の作り方
広告に頼らず、安定した新規集客を目指す整体院・サロンにとって、「料金表」は単なる価格の一覧ではありません。それは、お客様が「この価格を払ってでも、この施術を受けたい」と判断する、最も重要なページの一つです。もし料金表が価格の安さだけで比較されているなら、それは価値が正しく伝わっていない証拠かもしれません。
本記事では、価格競争から抜け出し、「価値」で選ばれる料金表の設計方法と、それを新規集客LP(ランディングページ)でどう見せるかについて、具体的な手順を解説します。
なぜ「安いから」で選ばれると苦しくなるのか
サロン経営において、新規集客は常に重要なテーマです。しかし、その手段として「初回割引」や「地域最安値」といった価格訴求に頼りすぎると、いくつかの問題に直面しやすくなります。
まず、価格だけを理由に来店されたお客様は、より安い競合が現れれば、そちらに移ってしまう可能性が高いです。これでは、継続的な関係性を築くのが難しく、リピート顧客が育ちません。結果として、常に新しい割引クーポンを発行し続け、広告費をかけ続けなければならず、利益率が圧迫されていきます。
また、スタッフの疲弊も問題です。安い価格で多くの施術をこなさなければ採算が合わないため、一人ひとりのお客様に丁寧に向き合う時間が失われます。技術やおもてなしという、本来サロンが持つべき「価値」が低下し、悪循環に陥ってしまうのです。
問題の根本は「価値」が伝わっていないこと
問題の本質は、価格が高いことではなく、その価格に見合う「価値」がお客様に伝わっていないことにあります。
例えば、同じ「整体60分」でも、ただ時間通りに施術を行う店舗と、施術前に詳細なカウンセリングを行い、不調の根本原因を特定し、日常のセルフケアまで指導する店舗とでは、お客様が感じる価値は全く異なります。
料金表の役割は、この目に見えない「価値」を言語化し、お客様が納得できる形で提示することです。価格競争に陥っているサロンの多くは、この「価値の言語化」が料金表やLP(ランディングページ)上で不足している傾向が見られます。
「価値」で選ばれる料金表を構成する3つの要素
お客様が「この価格は妥当だ」「むしろ安いかもしれない」と感じる料金表は、単なるメニュー名と金額の羅列ではありません。以下の3つの要素を組み合わせて設計することが有効です。
メニュー名:「何を」ではなく「どうなる」を伝える
お客様は「骨盤矯正」という施術名を探しているのではありません。
「産後の体型崩れを整えたい」や「長年の腰の違和感から解放されたい」といった、未来の変化を求めています。メニュー名は、施術内容そのものよりも、それによって得られるお客様の変化(ベネフィット)を主役にすることが望ましいです。
一例として、以下のような表現が考えられます。
良くない例
「全身整体コース 60分 8,000円」
望ましい例
「いぎ【根本原因にアプローチ】長年の肩こり・腰の重さから解放されたい方へ 全身調整コース 60分 8,000円」
このように、お客様が抱える悩みや、得たい結果をメニュー名に含めることで、自分ごととして捉えやすくなります。
説明文:施術プロセスと「他との違い」を明記する
なぜ、その価格が設定されているのか。その根拠を説明文で示します。高価格帯のメニューであればあるほど、この説明の丁寧さが申込みの判断基準となります。
他店との違い、すなわち「独自性」を明確にすることが重要です。
例えば、以下のような点です。
- カウンセリングの丁寧さ(例:初回は30分の検査時間を確保し、不調の根本原因を特定します)
- 施術の独自技術(例:痛みの少ない独自の筋膜リリースで、深層部までアプローチします)
- アフターフォロー(例:施術後、再発を防ぐためのオーダーメイドのセルフケアシートをお渡しします)
高額な機材や特殊な手技だけが価値ではありません。お客様一人ひとりに向き合う「時間」や「丁寧な説明」も、お客様にとっては大きな価値となります。
オファー:「今、行く理由」を明確にする
オファーとは、単なる割引のことではありません。「お客様が行動を起こすための提案」です。新規のお客様が最も不安に感じているのは、「本当に自分に合うだろうか」「失敗したらどうしよう」という点です。
この不安を取り除き、最初の一歩を後押しする提案がオファーです。
例えば、以下のような提案です。
- 初回限定の「体験価格」の提示(例:まずは当院の施術を体験いただくため、初回は特別価格をご用意しました)
- 納得できなかった場合の「保証」(例:万が一、施術内容にご満足いただけなかった場合、施術後3日以内であれば料金はいただきません)
特に整体院やエステサロンのような無形サービスでは、この「試してみるハードル」を下げる設計が、新規集客LP(ランディングページ)において非常に有効です。
仕組み化という選択肢
ここまで、価値を伝える料金表の設計について解説しました。しかし、こうした「価値の言語化」や「魅力的なオファー設計」、そしてそれをLP(ランディングページ)に落とし込む作業は、日々のサロン運営と並行して行うには多くの時間と専門知識を要します。
特にITやデジタル運用に苦手意識があると、どのように構築すれば成果が出るのか分からず、後回しになりがちです。
こうしたWebページの設計や、その後の集客導線(例えば、LPからLINEに誘導し、自動で情報提供を行うなど)の構築は、外部の専門サービスを活用する方法もあります。
「増客くん」では、美容サロンに特化し、価値訴求型のLP制作からLINEの自動化まで、集客の仕組み全体を構築するご支援をしています。経営者様が本来の業務である施術やお客様対応に集中できるよう、デジタルの仕組み化を取り入れることも、安定した経営のための有効な手段の一つです。
まとめと次の一歩
新規集客において、価格だけで選ばれる状態から脱却するには、料金表を「価格表」から「価値提案書」へと変える意識が不可欠です。お客様の悩みに寄り添い、施術によってどのような未来が得られるのか、そして他店ではなく「なぜ、あなたのサロンを選ぶべきなのか」を明確に伝えることが、価格への納得感を生み出します。
まずはご自身のサロンの料金表を見直し、「価値」が伝わる言葉になっているか、お客様の不安を取り除く「オファー」が設計されているか、という視点で確認してみてはいかがでしょうか。
用語解説
LP(ランディングページ)
検索結果や広告などを経由して、訪問者が最初に着地(Land)するページのことです。
美容サロンにおいては、特定のメニュー(例:初回体験コース)への申込みを目的として、そのメニューの価値や特徴、お客様の声などを1ページに集約して紹介する縦長のWebページを指すことが一般的です。
オファー
直訳すると「提案」という意味です。
マーケティングにおいては、お客様に行動(購入、申込み、問い合わせなど)を起こしてもらうための、魅力的な提案内容や条件のことを指します。単なる割引だけではなく、保証、特典、限定性などもオファーに含まれます。
価値訴求
価格の安さをアピールするのではなく、商品やサービスがお客様に提供できる独自の価値(例:技術力の高さ、丁寧なカウンセリング、特別な空間、手厚いアフターフォローなど)を伝え、納得して選んでもらうためのマーケティング手法です。